この記事は、YouTube動画「セツとちかは同い年だった?『ばけばけ』と『風、薫る』ヒロインを年表で並べてみた」の補足記事です。
動画では伝えきれなかった情報の補足と、動画制作にあたって参考にした書籍・資料・WebサイトのURLをまとめています。
▶ 大関和の生涯についてはこちら:朝ドラ「風、薫る」主人公のモデル・大関和とは?
動画の内容(概要)
2026年前期朝ドラ『風、薫る』のヒロイン・りんのモデル「大関和(おおぜきちか)」と、2025年後期朝ドラ『ばけばけ』のヒロイン・トキのモデル「小泉セツ」。同じ明治時代を生きた2人の人生を、横並びの年表で比較考察しました。
| パート | テーマ | ポイント |
|---|---|---|
| OP | 2人は同じ年に亡くなっている | 1932年(昭和7年)という驚きの共通点が! |
| 1 | 基本年齢比較 | 和・雅は同い年(1858年生まれ)、セツは10歳下(1868年生まれ)/旧暦と新暦の解説も |
| 2 | 明治8年(1875年) | セツ7歳・松江で貧しい士族の娘/和17歳・栃木/雅17歳・横浜 |
| 3 | 明治9年(1876年) | 和18歳で結婚/雅18歳でフェリス・セミナリー入学/セツ8歳で機織りへ |
| 4 | 明治19年(1886年)★山場 | セツ18歳・最初の結婚/和雅28歳・桜井女学校付属看護婦養成所第一期生に |
| 5 | 明治23〜24年(1890〜91年) | ハーン来日→セツと夫婦に/和は新潟・知命堂病院/雅は東京で慈善看護婦会創設 |
| 6 | 明治29年(1896年) | ハーン帰化=小泉八雲誕生・東京移住/和と雅が東京で10年ぶりに再合流 |
| 7 | 明治37年(1904年) | 八雲54歳で死去/和46歳・日露戦争の救護活動/※雅は明治34年に引退・和が会頭を継承 |
| 8 | 昭和7年(1932年) | セツ・和が同じ年に脳溢血で死去/雅は8年後に逝去 |
動画で触れなかった補足情報
旧暦と新暦の換算について
旧暦は月の満ち欠けをもとにしたカレンダーで、現代の太陽暦(新暦)とは最大で約1〜2ヶ月のズレが生じます。
日本が新暦(グレゴリオ暦)を採用したのは明治5年(1872年)12月。それ以前に生まれた人物は、史料によって旧暦表記・新暦表記が混在しているため、年齢計算や日付の比較には注意が必要です。
本動画・記事では、新暦(西暦)で日付を統一しています。
鈴木雅の生年について(1857年生まれという表記)
一部の資料では鈴木雅の生年を「1857年(安政4年)」と記載しています。これは旧暦の「安政4年12月26日」をそのまま西暦の1857年として扱っているためですが、新暦に換算すると1858年2月9日となり、大関和(1858年5月23日生まれ)と同い年になります。
動画では新暦基準で「和と雅は同い年」と紹介しました。
ドラマと史実の年齢差について(『風、薫る』)
『風、薫る』では、りんと直美はドラマ第1週(明治15年・1882年)時点で17歳という設定ですが、史実の大関和と鈴木雅はこの時点で24歳でした。ドラマは史実より7歳ほど若く設定されていることになります。
『ばけばけ』はほぼ史実通り(第1週・明治8年でトキ7歳=史実のセツも7歳)に描かれているため、両作品を比較するときは、この年齢設定のズレを踏まえる必要があります。
『ばけばけ』東京編の時期について
『ばけばけ』第24週で「あれから10年。トキとヘブンたちは東京の大久保に引っ越し、ヘブンが帝国大学の英語教師となり、6年半」という語りがあり、ドラマ内の時系列は明治36年(1903年)と考えられます。逆算すると東京移住は明治29年頃となり、史実の小泉八雲の東京移住(明治29年・1896年)とほぼ一致します。
ただし、ドラマでは東京移住の年代が明示されておらず、視聴者の解釈に委ねられている部分です。
大関和と小泉セツの「接点」について
動画では「セツや八雲と、和や雅が直接出会った記録はありません」と紹介しました。明治29年以降、4人とも同じ東京で暮らしていた時期はありますが、両者が交流した記録は確認できていません。
ただし、大関和は明治時代の東京キリスト教界(植村正久・富士見町教会など)と深く関わっており、同じく東京の文化人コミュニティに属していた小泉八雲とは、共通の知人を通じた間接的なつながりがあった可能性は否定できません。これは推測の域を出ないため、触れていません。
鈴木雅の引退と大関和の継承について
動画では明治37年(1904年)のブロックで触れましたが、明治34年(1901年)に鈴木雅が看護婦の仕事から引退し、大関和が東京看護婦会の会頭を継承しました。明治19年に桜井女学校付属看護婦養成所の第一期生として入学した2人が、約15年を経て「築いた人が引退し、引き継いだ人が会頭になる」というバトンタッチを行ったことになります。
明治42年(1909年)の大関看護婦会設立
動画の明治37年ブロックの末尾で触れた「大関看護婦会」「大関看護婦講習所」は、明治42年(1909年)に大関和が51歳で設立したものです。「純然たるキリスト教主義」を掲げた看護婦育成機関で、信仰と看護を結びつけた和の生涯の集大成と言える事業でした。
参考書籍
| 書名 | 著者 | 出版社 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 明治のナイチンゲール 大関和物語 | 田中ひかる | 中央公論新社 | 朝ドラ『風、薫る』原案 |
| 大風のように生きて:日本最初の看護婦大関和物語 | 亀山美知子 | ドメス出版 | 大関和の伝記。鈴木雅との交流エピソードあり |
| 小泉八雲 思い出の記・父「八雲」を憶う | 小泉節子・小泉一雄 | 恒文社 | 妻セツが綴った八雲との日々の回想 |
出典・参考Webサイト一覧
ドラマ「風、薫る」関連
| サイト名 | 使用箇所 |
|---|---|
| NHK「風、薫る」公式サイト | 基本情報・時代設定 |
| NHK「風、薫る」公式 人物相関図 | キャスト・モデル人物の確認 |
| Wikipedia「風、薫る」 | 時代設定(1882年〜)・登場人物 |
| 読売新聞「『風、薫る』が描く明治のナイチンゲール」 | 大関和・鈴木雅の生涯と看護史 |
ドラマ「ばけばけ」関連
| サイト名 | 使用箇所 |
|---|---|
| NHK「ばけばけ」公式サイト | 基本情報・キャスト |
| NHK「ばけばけ」制作発表 | 作品コンセプト |
| Wikipedia「ばけばけ」 | 各週のあらすじ・時代設定 |
| Yahoo!ニュース「史実にはない熊本移住の動機」 | ドラマと史実の差異 |
大関和の生涯
| サイト名 | 使用箇所 |
|---|---|
| Wikipedia「大関和」 | 生没年・略歴・死因(脳溢血) |
| 女子学院 特設サイト「大関ちかの歩みをたどって」 | 桜井女学校付属看護婦養成所・大関看護婦会 |
| 大田原市広報「明治のナイチンゲール 大関和をたどる」(PDF) | 大関看護婦会・大関看護婦講習所の設立詳細 |
| 栃木県観光物産協会「大関和の生涯」(PDF) | 看護学通信講習会・キリスト教看護 |
| PRESIDENT Online「蔑視されていた職業を誇れる職業へ」 | 桜井女学校付属看護婦養成所第一期生 |
| JBpress「大関和の波乱の前半生」 | 初婚と離縁の経緯 |
鈴木雅の生涯
| サイト名 | 使用箇所 |
|---|---|
| サライ「『風、薫る』大家直美のモチーフ・鈴木雅の生涯」 | 派出看護・東京看護婦会・引退 |
小泉セツ・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の生涯
| サイト名 | 使用箇所 |
|---|---|
| Wikipedia「小泉節子」 | 生没年・略歴・死因(脳溢血) |
| 出雲市公式PDF「小泉八雲とセツの略年表」 | ハーン来日・結婚・帰化・死去 |
| 松江市八雲記念館「小泉セツ展」 | セツの生涯・帰化と入夫の経緯 |
| 松江市公式PDF「八雲とセツのブックレット」 | 松野家・稲垣家・小泉家の関係 |
| 絵本ナビ「朝ドラばけばけで注目!小泉八雲」 | 八雲の生い立ち |
| PRESIDENT Online「セツの家はなぜ貧しかったのか」 | 松江藩没落士族の暮らし |
| PRESIDENT Online「セツの最初の夫が14年も婿養子のままだった」 | セツと前田為二の結婚生活 |
| PRESIDENT Online「八雲がセツと稲垣家を連れて移住した本当の理由」 | 松江→熊本移住の背景 |
| 読売新聞「『ばけばけ』熊本編でも難儀は続くが」 | 熊本での暮らし |
| Yahoo!ニュース「小泉八雲54歳の死」 | 八雲晩年・帝大解雇・死去 |
| 東洋経済「朝ドラばけばけ・武士たちの商売」 | 明治初期の松江の没落士族 |
看護史・看護教育の歴史
| サイト名 | 使用箇所 |
|---|---|
| エキスパートナースweb「大関和と鈴木雅ゆかりの地」 | 桜井女学校付属看護婦養成所の歴史 |
| 日経新聞「明治のナイチンゲール」 | 明治期の看護師育成と感染症対策 |
| 本の引き出し「2026年度NHK前期朝ドラ風、薫る特集」 | トレインドナースの歴史 |
関連動画・記事
- ▶ 大関和の生涯を解説
- ▶ 「風、薫る」史実解説シリーズ 再生リスト
- 朝ドラ「風、薫る」主人公のモデル・大関和とは?
- 一ノ瀬信右衛門と美津の実在モデル|出典・参考資料まとめ
- 丸山忠蔵のモデル=相馬愛蔵?|出典・参考資料まとめ
※本記事の内容は、上記の参考資料に基づいて作成しています。資料間で記述が異なる部分(旧暦・新暦の表記、ドラマと史実の年齢差など)については、複数の資料を比較検討した上で、より信頼性の高い情報を採用しました。



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