朝ドラ『あんぱん』第8週「めぐりあい わかれゆく」では、物語が大きく動きます。教師として愛国心を教えるのぶに舞い込む縁談、見合い相手・若松次郎との出会い、そして結婚の決意。
一方で、蘭子は婚約者・豪の戦死という現実に直面し、涙と怒りを爆発させます。「そんなの嘘っぱちや!」という叫びは、“愛国教育”の正しさに揺れるのぶの心にも深く刺さっていきます。
この記事では、第8週のネタバレあらすじを先取りで紹介しつつ、やなせたかし氏の史実との違いを丁寧に解説。嵩のモデルとなったやなせ氏が就職した製薬会社の背景や、のぶの結婚相手・暢さんの実話まで掘り下げてお届けします。

豪ちゃんの戦死にのぶの結婚!?展開が早すぎて追いつけないよーーーッ!!必然的に、嵩の初恋は知らぬ間に終わりを迎えようとしている…?
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第8週「めぐりあい わかれゆく」ネタバレ:36話~40話あらすじ
昭和14年(1939年)の秋――激動の時代のなかで、のぶ・蘭子・嵩の運命が大きく動き始めます。教師として前を向こうとするのぶと、恋と死を突きつけられる若者たち。それぞれの「出会い」と「別れ」が描かれるのが、この第8週です。
36話(5月19日):のぶ、見合いの話が舞い込む
のぶが教師になって一年半。生徒に愛国精神を教える一方、次々と縁談が舞い込む日々。断り続けていた中で、父・結太郎と縁のある機関士の息子・若松次郎との見合い話には心が揺れ始めます。

ハチキンおのぶに舞い込む縁談!1週目で小さかった蘭子が豪ちゃんと結婚の約束をするし、朝ドラの展開の速さにビックリだよ。
37話(5月20日):若松次郎との出会いと笑顔
見合いの席で、「まだ結婚する気はない」と素直に打ち明けたのぶ。それに対し、次郎も「周りに押された」と返し、ふたりは自然な笑顔に。のぶの写真を撮った次郎の姿が、物語の転機を予感させます。
38話(5月21日):豪の戦死に、蘭子は感情を失う
朝田家に届いたのは、豪の戦死を知らせる報せ。皆が「立派だった」と語る中、婚約していた蘭子は言葉を失い、感情を閉ざします。戦争が人の命と感情を奪っていく現実が、静かに描かれます。

カ¨━━━━( ゚Д゚; )━━━━ン!ついに豪ちゃんが本当に退場…!身近な人を戦争で亡くした苦しみが描かれます。
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— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) May 10, 2025
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🪨原 豪 / #細田佳央太🪨
「毎日会ってます」
やっと自分の思いを伝えることができた豪。
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39話(5月22日):蘭子が涙で叫ぶ「それは嘘っぱちや!」
のぶが「豪ちゃんの戦死を誇りに思って」と語りかけると、蘭子はついに怒りと悲しみを爆発させます。「そんなの嘘っぱちや!」――愛国の名のもとに誰かを失うことへの違和感が、初めて声になる瞬間です。
40話(5月23日):のぶ、走って次郎に追いつき結婚を決意
次郎はのぶに求婚。戦争後にしたいことを語る次郎に、自分のしたいことが思いつかず臆するのぶでしたが、次郎の「のぶさんは足が速いき、すぐ追いつきます」の言葉に、かつて父に言われた言葉を思い出します。
そして次郎に走って追いつき、「ふつつか者ですけんど、よろしゅうお願いいたします!」と結婚を承諾。切なさと希望が交差する週のラストです。

嵩が東京で学生生活をエンジョイしている間、のぶは学校の先生として働き、ついには結婚…!のぶちゃんに会いに行く~と頑張る嵩の失恋が決定しちゃったよ…。

【実話・史実解説】やなせたかしと妻・暢さんの“本当の物語”とは?
ドラマ『あんぱん』では、のぶと嵩が「幼なじみの初恋」という設定になっていますが――実際のやなせたかしさんと妻・小松暢さんは大人になってから出会いました。ここでは、そんな“本当の2人”の物語を追ってみましょう。
やなせたかしの青春時代と「東京高等工芸学校」時代
1937年(昭和12年)、18歳で上京したやなせたかしさんは、「東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部)」の工芸図案科に進学。学校には制服もなく、銀座や映画館に頻繁に出かける自由な学生生活を送っていました。

嵩くん、銀座歩いたり映画見たりしてて、楽しそうだったよね◎あれ、実はやなせたかしさん本人の青春そのままなんだよ!
特に影響を受けたのが、太宰治や井伏鱒二(いぶせ ますじ)の文学や、フランス映画・モンスター映画など多彩なカルチャー。
――とやなせ氏自身も著書で回想しています。
「さよならだけが人生だ」は井伏鱒二の名言ですが、幼い頃に実父を亡くし、その後弟や育ての親(伯父)、母親、妻と――94歳で亡くなるまで、身近な人々を見送った、やなせたかし氏をそのまま表しているかのようです。
嵩が戦時下でも“芸術”に希望を求め、銀座の風景を描き続ける姿には、やなせ氏の若き日の姿が重なります。
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やなせ氏が就職したのは「製薬会社」だった
卒業後、やなせたかしさんが就職したのは「東京田辺製薬」(現・田辺三菱製薬)の宣伝部。デザイナーとしてポスターや広告を手がけていました。1

嵩の製薬会社就職は、やなせたかし氏の実話なんだね◎ここでの広告経験が、のちの『アンパンマン』のデザインセンスにもつながっていきます。
当時は軍需産業への就職が一般的な中、製薬会社を選んだ理由は、
家族思いな一面がうかがえるエピソードです。

のぶのモデル・小松暢さんは船乗りと結婚

のぶが選んだのは、嵩じゃなくて次郎さんだったけど、れも、実話ベースで描かれてるんだね~。
つまり、第8週の描写――若松次郎との見合い、豪の戦死、次郎からの再求婚、のぶが走って追いかけてプロポーズを受け入れるまでの展開――ここまでは、かなり忠実に実話に近い流れで描かれているんです。
ただし、嵩(=やなせたかし)の恋模様はあくまでドラマオリジナルの創作要素。実際のやなせ氏は暢さんと戦後に知り合って結婚しています。

恋が実らない嵩の切なさ…これは視聴者の心に残る演出!小松暢さんがやなせたかし氏と再婚という史実は、ドラマでは嵩の初恋ブレイクで描かれたんだね~。
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蘭子の涙が意味するもの:“愛国”教育の揺らぎと葛藤
豪の戦死は、のぶと蘭子の心を深く揺さぶります。表向きは「お国のために立派だった」と語られ、のぶも教師としてそう語るしかない現実がありました。

「豪ちゃんは立派でした」って言うのぶ…見てて苦しいよね。でも、あの場面で蘭子が叫んだ言葉が、戦争で大切な人を失った人の本音だったんじゃないかな?
この一言は、戦時中の女性たちが心に押し込めていた怒りと悲しみの爆発でした。婚約者を戦争で奪われた蘭子にとって、「名誉の戦死」という美談は、現実を何一つ癒してくれない。
のぶ自身も、揺れ始めます。

自分の愛国心は正しいのか?のぶの自問自答は、当時教師をしていた人も持っていた感情なのではないでしょうか。
この週では、「戦争に協力せよ」と教えられる立場にいる人間が、心の奥で“違和感”を感じているという描写が丁寧に描かれています。それは、戦時中の日本で多くの教師たちが感じていた“本音”だったのかもしれません。

第8週ネタバレまとめ:愛と別れが交差する“昭和14年”を生きた彼ら
第8週「めぐりあい わかれゆく」――タイトル通り、人生の「出会い」と「別れ」が濃密に描かれた1週間でした。
- のぶと次郎の出会いと結婚
- 嵩の秘めた初恋の終わり
- 豪と蘭子の永遠の別れ
そして、そのどれもが“戦争という時代”の影響を強く受けた結果であることが印象的です。

誰かと出会った喜びも、別れの悲しみも、戦争が背後にあるって重いよね…。でも、のぶが次郎のプロポーズを受けたラストは、涙と希望が混ざってた…!
また、やなせたかし氏の史実――銀座に憧れ、製薬会社に就職し、戦後に暢さんと出会ったという道のりを知ることで、ドラマの登場人物たちの選択がより立体的に見えてきます。
“何を守り、何を手放すのか”そんな問いが、静かに、でも確かに投げかけられた第8週。朝ドラ『あんぱん』がただの史実を織り交ぜたエンタメ作品ではなく、その“時代を生きた人のリアルを感じる作品”であると再発見した週となりました。
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- やなせたかし アンパンマンを生んだ愛と勇気の物語 ↩︎
- 小松暢(Wikipedia) ↩︎
「銀座の空気を吸うだけで感性が磨かれる気がした」