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【あんぱん戦争実話】軍人勅諭とは?“忠節と死”の内容を簡単解説📝やなせたかしが暗記した戦時教育

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朝ドラ『あんぱん』第11週「軍隊は大嫌い、だけど」で描かれた「軍人勅諭(ぐんじんちょくゆ)の暗記」──入隊した嵩が真剣な表情で丸暗記する姿に、時代の重さを感じた方も多いのではないでしょうか。

実はこのシーン、モデルとなったやなせたかし本人の実体験に基づいています。戦時中、軍隊に入った若者たちは、明治天皇が発した「軍人勅諭」を暗唱させられ、“忠節”と“死”を叩き込まれました。

本記事では、「軍人勅諭とは何か?」を簡単に解説しつつ、やなせたかしの戦争体験、そして戦時教育が若者に与えた影響をわかりやすくひもときます。

きゅんはむ
きゅんはむ

やなせたかし氏の戦争体験は、ご本人の著書『ぼくは戦争は大きらい』、『アンパンマンの遺書』を参考にしています。

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【史実】軍人勅諭とは?簡単にわかる基本解説

戦前の日本では、兵士がただ武器を持って戦うだけでなく、“心構え”も教育されていました。その代表例が「軍人勅諭」です。これは明治時代に発布されたもので、戦争を語るうえで欠かせない歴史的文書のひとつです。

朝比奈策太郎 著『軍人勅諭読本』,日本経国社,昭和19. 国立国会図書館デジタルコレクション
朝比奈策太郎 著『軍人勅諭読本』,日本経国社,昭和19. 国立国会図書館デジタルコレクション
朝比奈策太郎 著『軍人勅諭読本』,日本経国社,昭和19. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1457629 (参照 2025-06-04)
きはむ
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武士道を受け継ぐ“心の教科書”みたいなもので、「軍人勅諭」って命令じゃなくて精神論です。

軍人勅諭の意味と目的:なぜ作られたのか

軍人勅諭は、1882年(明治15年)に明治天皇の名で出された、軍人に対する“道徳的な教え”です。軍人が国家に仕えるにあたっての心得を示すもので、いわば軍隊版の「生き方の教科書」のようなものでした。1

その内容は、大きく分けて以下の五箇条にまとめられます。

  1. 忠節(国と天皇に忠義を尽くすこと)
  2. 礼儀(上官や仲間への敬意)
  3. 武勇(戦場での勇気と行動力)
  4. 信義(約束や任務に対する誠実さ)
  5. 質素(質素倹約の生活態度)

このように、軍人勅諭は兵士たちの心を縛る「精神的規範」として機能しており、のちに“国家のために命を捧げる”という価値観の基盤にもなっていきました。

現代語で読む軍人勅諭:“忠節と死”の思想とは

軍人勅諭の中で特に有名なのが、「忠節を尽くし、命を惜しまず」の一節です。これは文字通り、「天皇や国家のために命をかけるのが軍人の本分である」という教えを意味しています。

現代語に訳すと、次のようになります。

「軍人たる者は、忠誠を尽くして国家に仕え、死をも恐れず任務を全うすべし。」

この思想は、ただの道徳ではありません。戦地に送り出される若者たちにとって、“死ぬ覚悟”を植え付ける強力な心理的装置だったといえるでしょう。

きゅんはむ
きゅんはむ

「命を惜しまず」って、今の感覚だとすごく怖い…。戦時下ではそれが当たり前の価値観だったんだ。

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【実話①】やなせたかしが受けた戦時教育と軍人勅諭

朝ドラ『あんぱん』では、嵩(モデル:やなせたかし)が軍人勅諭を丸暗記させられるシーンが描かれています。これはフィクションではなく、実際の体験に基づいた“リアル”な描写でした。

やなせたかしの回想に見る“暗記”の実態

やなせたかしは、著書『ぼくは戦争は大きらい』の中で、訓練中に「軍人勅諭を丸暗記させられた」と語っています。意味もわからないまま、ひたすら暗唱させられ、間違えると怒鳴られる──そんな記憶が強く残っていたそうです。

この体験が、のちに彼が「戦争は大きらい」と語るようになった原点のひとつでもあります。「死ぬことが美徳」と教え込まれることへの違和感。それが彼の反戦思想につながっていったのです。

朝ドラ『あんぱん』第11週の“軍人勅諭暗記”の描写は、実話!

ドラマ第11週では、嵩が「軍人勅諭を覚えろ」と命じられ、苦しみながら暗記する姿が描かれました。これは、やなせたかし本人が実際に経験したことと一致しています。

軍人勅諭を暗記するという行為は、単なる記憶訓練ではなく「これから命を懸けて国のために戦う覚悟を持て」という象徴的な儀式でもあったのです。

嵩の苦悩する表情は、やなせ本人の葛藤を見事に再現していると言えるでしょう。

きはむ
きはむ

嵩の目つきが変わっていくの、つらかったね。自由を愛する人だったからこそ、思想にそぐわない言葉の暗記には苦しんだんだと思う…。

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【実話②】「軍人勅諭」の教育が若者に与えた影響

戦前の日本では、「軍人勅諭」はただの文書ではなく、若者たちの“生き方”そのものに影響を与える存在でした。その中核にあったのは、「命を惜しまず忠義を尽くせ」という価値観です。では、その教育は若者たちにどんな影響を及ぼしたのでしょうか。

きゅんはむ
きゅんはむ

勅諭って、ただの精神論じゃなくて人生観まで変えちゃうもの。それが“国家に命を捧げる教育”の怖さでもあるんだよ。

「死を美徳とする教育」の光と影

軍人勅諭の思想では、忠義や礼儀、質素といった美徳が称えられましたが、最も強調されたのは「忠節を尽くして命を惜しまず」という“死の美化”です。

この教育は、戦地に赴く若者たちに「死を恐れるな」「命を賭して国家に尽くせ」という覚悟を強制しました。結果として、個人の感情や人生よりも“国のために死ぬこと”が正義とされ、多くの命が戦争の中で失われました。

やなせたかしも、こうした価値観の中で軍隊生活を送りました。しかし彼は、戦後になってから「命は捨てるものではない、大切にするものだ」、「人はいつか死ぬ、生きている間は全力で人を楽しませる」と語りました。軍人勅諭で刷り込まれた“命の軽視”とは真逆の思想を、自らの作品や言葉で訴え続けたのです。

「死ぬときは死ぬんだよ。笑いながら死ぬんだよ。そうすれば映画の宣伝にもなる。死ぬまで一生懸命やるんだよ」

引用:やなせたかし 子どもたちを魅了する永遠のヒーローの生みの親 青山誠

きはむ
きはむ

2013年公開の映画『それいけ!アンパンマン とばせ!希望のハンカチ』での舞台挨拶での言葉が泣ける…。

きゅんはむ
きゅんはむ

映画公開の3ヶ月後、10月にやなせ氏は亡くなりましたが…最後まで皆に笑顔を届けてくれました◎

よくある疑問Q&A:軍人訓戒との違いは?

混同されがちですが、「軍人勅諭」と「軍人訓戒」は別物です。

  • 軍人勅諭2:明治天皇の名によって発布された“精神的な指針”であり、軍人の人格や行動の道しるべを示すものでした。
  • 軍人訓戒:軍内部の実務的な訓練や規律を扱う“実用マニュアル”に近い内容で、部隊の統率を目的としていました。軍人勅諭の先駆となったもの。

つまり、軍人勅諭は“心の教科書”、軍人訓戒は“行動のマニュアル”という違いがあります。

きはむ
きはむ

同じ「軍人」ってつくけど、役割が全然違うんだね。勅諭は入隊した新人に教えを“信じ込ませる”、訓戒は“動かす”ってイメージかな!

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まとめ:嵩が暗記した『軍人勅諭』は、やなせたかしの戦争体験実話

軍人勅諭は、ただの戦前教育の一環ではなく、若者たちの命の価値観を根本から変えてしまうほどの影響力を持っていました。

やなせたかしが「軍人勅諭を暗記させられた」と回想する一方で、戦後には「命を大切に」というメッセージを繰り返し発信していたのは、その反動でもあり、祈りでもあったのかもしれません。

朝ドラ『あんぱん』第11週で描かれた嵩の軍人勅諭暗記シーンは、そうしたやなせの“原体験”に根ざした、重くてリアルな描写だったといえるでしょう。

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参考文献、資料:やなせたかし著書『ぼくは戦争は大きらい』、『アンパンマンの遺書』

  1. 軍人勅諭(陸海軍軍人に賜はりたる勅諭,軍人訓誡ノ勅諭)日本政治・国際関係データベース ↩︎
  2. 軍人勅諭 ↩︎
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