この記事では、2025年1月期ドラマ『秘密〜THE TOP SECRET〜』(ひみつザトップシークレット)の原作、清水玲子氏の漫画『秘密-トップ・シークレット-』5巻のネタバレを含むあらすじと考察、読後の感想をお届けします。
この巻では、「屍蝋化死体事件」を中心に、薪、青木、雪子たちの迷走する人間関係や、2つの殺人事件が描かれています。巻末には特別編として、岡部 靖文(おかべ やすふみ)のスピンオフが収録されています。
本編は後味が苦いながらも深いテーマを考えさせられる内容となっています。5巻のスピンオフ漫画は結構ページ数があり、岡部さんファンには嬉しい内容♪
≫漫画【秘密トップ・シークレット】4巻あらすじ:ネタバレ考察はこちら
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「屍蝋化死体事件(2008)」の始まり:余命わずかな老人の告白から
物語は、末期ガンを患う老人・梨田(なしだ)の衝撃的な告白から始まります。
警察が供述通りの場所を掘り返すと、発見されたのはなんと4~50代の中年男性の屍蝋化死体。老人が語った子供の死体ではなく、全く別の殺人事件の遺体だったのです。
全然違う死体が出てきたって、どういうこと!?もしかして梨田のおじいちゃん、ボケちゃったのかな?
いやいや、別の事件が偶然見つかっただけっぽいよ。これは一筋縄じゃいかない展開だね。
この死体は死亡時期が20~25年前と見られ、時効が成立していない事件。そこで監察医の三好雪子は、第九にMRI捜査を提案しますが、薪は「技術的にも難しく、優先すべき事件が山ほどある」と拒否します。
- Q屍蝋化死体とは何か?
- A
屍蝋化死体とは、遺体が湿度が高く酸素が少ない環境に長期間放置された際に、体内の脂肪が変化してロウ状の物質(屍蝋)に変わり、腐敗が進まずに保存された状態のことを指します。ミイラ化死体、永久死体とも呼ばれています。
犯人は子供!中年男性の正体と明かされる家庭の闇
捜査が進む中、屍蝋化死体の脳映像の再現に成功。その結果、男性の正体が25年前に失踪した堀江太一だと判明します。そしてさらに、彼が家庭内で引き起こした壮絶な事件が浮かび上がります。
しかし、尚は自分の行動が妹を見捨てたことに気づき後悔し、家に戻ります。そこで見たのは、父親の死体と、そのそばにいた幼い葵の姿でした。葵は父親の暴力に耐えきれず、包丁で刺してしまっていたのです。
うわぁ、父親ひどすぎる!でも葵ちゃんも小さいのに本当に辛かったんだろうなぁ…。さすがに正当防衛だよね?
尚くんも辛かったはずだよね…。妹を守りたい気持ちと、自分が逃げてしまった罪悪感。でも尚くん自身もまだ子供だし…うーん、難しい問題…!
尚は妹を守るため、父親の死体を沼地に埋め、その後も彼女を支え続けます。しかし、25年経った現在、葵はDV男と婚約しており、過去と同じ状況に追い込まれてしまいます。
薪の冷静な推理と雪子への痛烈な批判
薪は屍蝋化死体の刺し傷の位置から、犯人が「子供」だと推測していました。そのため、事件を最初から掘り返したくないと思っていたのです。しかし、雪子が捜査を強く求めたことで、薪は冷徹な現実を彼女に突きつけます。
うわぁ、薪さんの言葉、鋭すぎる…。美人なだけに怒ると怖いんだよなぁ…。でも、的を射てるから雪子さんも反論できないよね。
被害者の傷は全て下腹部大腿部に集中…子供だから急所である上部を刺せなかったんだね。確かに想像力が大事なのはわかるけど、言い方が厳しいよ…。
一方で、薪の推理を裏付けるように、青木が再現した脳映像には、幼い葵が父親を刺す瞬間が映し出されます。薪と雪子が急いで葵の家に向かうと、そこには兄の尚の遺体が。葵を守るため、尚が婚約者に襲いかかり、返り討ちに遭ったのでした。
第二の事件:60年前の子供の殺害
物語はここで終わりません。梨田が告白した60年前の事件の被害者である子供の遺体も発見されます。被害者の母親・光浦あかねは、息子の脳映像を見ることを希望。しかし、それを見る前に、彼女は既に病院に入院していた犯人を殺害し、息子の最後の映像を見た後には、自ら命を絶とうとします。
95歳のおばあちゃんが犯人を殺しちゃうなんて、よっぽど悔しかったんだろうね…。というか、犯人はまさかの自分の甥…!
事件当時、捜索活動にも参加して、何食わぬ顔で近くにいたって、すごい…。薪さんの『失うものは何もないのですか』ってセリフは重くて考えさせられたね。
【特別編】岡部靖文が魅せた、警察官としての優しさと覚悟
特別編では、科学警察研究所法医第九研究室のNo.2である岡部靖文が主役となり、人間味あふれるエピソードが描かれます。岡部の厳しさと優しさが際立つ物語は、普段クールに見える彼の内面を深く掘り下げ、読者の心を揺さぶります。
幼い兄弟との出会い:岡部の本心
物語の始まりは、捜査現場で出会った幼い兄弟、兄・瑛と弟・歩。この二人との出会いが、岡部の心に小さな波紋を広げます。兄の瑛が、岡部にこう語ります。
この言葉に、岡部は一瞬戸惑いながらも毅然として答えます。
一見冷たく聞こえるこの言葉には、子供たちの純粋な心を守りたいという岡部の強い意志が込められています。
自殺未遂と母親への訴え
ある日、瑛が自殺を図ったという連絡が岡部の元に届きます。病院で母親が涙ながらに語るのは、瑛が弟の歩を階段から突き落としたと信じ込んだエピソード。しかし真実は違いました。歩が階段から落ちたのは偶然で、瑛は「母に信じてもらいたい」という一心で、自分の脳を見せようとしたのです。
「おかあさんに アタマのなか みせてください」との手紙を歩に託し、水の中に飛び込んで意識不明になる瑛くん…。
岡部は涙ながらに母親に訴えます。
この言葉は、読者だけでなく母親の心にも深く突き刺さります。瑛が意識を取り戻した際、母親は自らの過ちに気付き、涙ながらに息子に謝罪する姿が描かれます。
岡部さんーーーッ!!強面だけど、めっちゃ良い人…!青木さんに薪さんを取られてる感あるけど、岡部さん…好きすぎる…っ!!
優しさと覚悟:岡部の真価
また、後日描かれる学少年の命日に事故現場を訪れ、花束とワンカップ酒を供えるシーンは、彼の忘れられない記憶と深い思いを象徴しています。
青木の視点から見た岡部
青木はこの特別編で、岡部の人物像をこう語ります。
確かに…!でも、そんな強面でガタイの良い岡部さんが、薪さんにペコペコしてるのはめっちゃ可愛いんだよね~。岡部さん、良き♡
岡部の強さと優しさを象徴するセリフが随所に散りばめられており、彼がいかに「第九のお母さん」として欠かせない存在であるかを再認識させられます。
漫画「秘密 -トップ・シークレット-」5巻総括:絡み合う人間ドラマと社会問題
5巻本編では、2つの事件が絡み合いながら進行し、それぞれが描く「家族の闇」と「復讐の葛藤」が胸に迫ります。
- 薪の推理:冷徹ながらも的確で、彼のプロフェッショナリズムを感じる。
- 雪子の迷走:薪の指摘が正しい反面、彼女の感情的な側面も人間味があって共感できる。
- 青木の成長:青木の余計な一言が事件を動かしたが、彼の正義感が新たな真実を引き出したともいえる。
また、家族間暴力や児童虐待というテーマを描いたこの巻は、フィクションながら非常に現実的で、深い余韻を残します。
改めて、これが2008年の作品だなんて信じられないよ…。清水玲子先生の先見の明がすごい…!
本編は最後まで胸が苦しい展開だったけど、考えさせられる内容!薪さんたちの人間関係もどうなっちゃうのか気になるし、思わず一気読みしちゃうね。
また、巻末の番外編では、岡部の言葉や行動を通じて、家族や信頼について深く考えさせられるメッセージが込められています。特に、岡部が涙ながらに母親へ訴えるシーンは、科学捜査の冷徹さの裏にある人間味を際立たせています。
岡部さん、かっこいいし薪さんの前だと可愛いな~。家族を守る警察官の優しさを感じるよね。
そうそう、薪さんの冷静さとはまた違う、人間味あふれる魅力がたまらないよ◎ずっと薪さんを支えててほしい…!
『秘密-トップ・シークレット-』5巻は、事件の真相だけでなく、人間関係の奥深さや社会問題を見つめ直す機会を与えてくれる名作です。
≫漫画【秘密トップ・シークレット】6巻あらすじ:ネタバレ考察はこちら
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