『秘密』シリーズの中でも、特に深いテーマを扱った『秘密 season0』4巻。今回は、桜木の特異体質とその背景にある重い秘密、そして可視光線を巡る衝撃的な事件を解説しつつ考察していきます。人間関係の繊細な描写や予想を超える展開に、読後感が心に響く一冊でした。
2025年1月期板垣李光人&中島裕翔のW主演でドラマ化される清水玲子の漫画『秘密 -トップ・シークレット-』。この記事では、その続編シリーズ『秘密 season0』4巻「可視光線」のあらすじ、結末解説、ストーリーから伝えたいことを考察していきます。
原作のネタバレを含むので、未読の方はご注意ください。毎回、読者に疑問を投げかけてくれる清水玲子先生の漫画『秘密 season0』!今回は何がテーマかな?
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『秘密 season0』4巻(可視光線)あらすじ:発端は永江死刑囚の存在
物語の発端となるのは、特異な遺伝的特性を持つ死刑囚、永江明(ながえ あきら)の存在。彼は赤外線を透過する視覚を持ち、暗闇でも他者よりはるかに物を見る能力を持っています。
その能力ゆえに、夜目が効くどころか、死刑執行時の目隠し中でも「克明に見えていた」ことが死後のMRI画像から判明しています。この報告は会議の場に衝撃を与え、薪の命で青木がMRI捜査を行った結果、14件目の婦女暴行事件が明らかになります。
この永江の体質こそが、4巻全体のテーマ「可視光線」に深く関わる重要なポイントとなります。
暗闇で赤外線が見えるって、普通の人間には考えられないよね。目隠しされてても見えるって…どういうこと!?
こういう特殊な目を持っていたら、夜間の犯罪は無敵!?でも、人の顏は白く発光して見えて区別がつかないようだよ?
- Q可視光線、赤外線、紫外線の違いは?人間が見ることのできるのは何?
- A
- 可視光線(かしこうせん)とは…私たちの目で見える光のこと。太陽の光や電球の光がこれに当たり、虹の7色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)が可視光線の一部です。波長(光の長さ)が約380~780nm(ナノメートル)の範囲にあります。
- 赤外線(せきがいせん)とは…目には見えない光ですが、温かさを感じられます。波長が可視光線より長い光で、リモコンやサーモグラフィーで使われます。太陽やストーブが赤外線を出していて、暖かく感じるのは赤外線の影響です。
- 紫外線(しがいせん)とは…目には見えない光で、波長が可視光線より短い光。太陽から出ていて、日焼けやシミの原因でもあり、少しなら体にいい働き(ビタミンDを作る)があるけれど、浴びすぎると体に悪影響があります。
- Q可視光線以外をとらえる特異な目を持つ人はいるのか?
- A
漫画では、赤外線や紫外線が感知されるケースがあり、それは約50万人に一人の確率で自然発生するとありました。果たして、これは事実なのでしょうか。
現実の人間が可視光線以外(赤外線や紫外線)を感知できる目を持つことは、通常はありません。ただし、いくつかの特殊な条件や状況により、これに近い現象が報告されています。
- 紫外線を感知するケース:水晶体の除去後(無水晶体眼)
白内障手術などで水晶体を取り除いた人が紫外線を視認する例が報告されています。通常、水晶体は紫外線を吸収しますが、これがなくなると網膜が紫外線を感知することが可能になります。
⇒見え方:紫外線は青白い光や紫色として認識されることがあります。 - 赤外線を感知する可能性
赤外線は波長が長く、通常の視細胞(錐体や桿体)では感知できません。ただし、以下の条件で赤外線が「視覚」として感じられる可能性が理論上示唆されています。
⇒赤外線レーザー: 強力な赤外線レーザーを網膜に直接当てると、一部の人が「熱」として感知することがありますが、これは光ではなく熱エネルギーの影響です。 - 特異な目の進化的可能性
漫画やフィクションで描かれる「赤外線や紫外線を感知する目」は、現実では進化的に存在していません。しかし、自然界では一部の動物が紫外線や赤外線を感知する能力を持っています。
⇒紫外線を感知: 鳥や昆虫(例: ミツバチ)
⇒赤外線を感知: ヘビ(例: ピット器官を持つヘビ)
- 紫外線を感知するケース:水晶体の除去後(無水晶体眼)
調べた範囲では、「約50万人に1人の確率」で特殊な目を持つ人がいるという情報は出てこなかったので、これはフィクションと思われます。
ただし、人間の網膜に存在する視細胞の遺伝的変異や、異常に高感度な網膜の特性による特殊な感覚の発現がごく稀にあるかもしれません。
現実的には、可視光線以外を感知する目を持つ人間は確認されていませんが、紫外線を感知するケースが特定条件で起きることがあり、これは科学的に説明が可能です。漫画の設定は、こうした科学的知見に基づく想像力を広げたものと考えられます。
科学的な根拠は不明ですが、色覚異常と一緒で自分の目が見ている世界が他の人と違うとは自身で気づかないだろうから、もしかしたら…いるのかも…?
桜木正の出生の秘密とは?母を想うがための葛藤
永江の体質をきっかけに物語は桜木正にフォーカスされます。桜木もまた、永江と同じく赤外線を透過する視覚を持つ体質を秘めていました。普段は特殊な眼鏡で通常の視界に変えていますが、この特性が物語の大きな鍵となります。
桜木さんは薪さんの同窓生のキャリア。自分が犯罪者の子だとは、思っていなかったけど…他の家族と血が繋がっているのかは疑問に思い育ちました。
この秘密を守るために桜木は孤独を抱え、さらに由花里との婚約においてもその秘密が影響を及ぼします。桜木は母親の名誉を守るために、自らの特異体質を公にすることを拒否するのです。
秘密を守るのか、真実を暴くのか…どっちを選んでも苦しい道だよね。由花里さんは桜木さんの婚約者だけど、悲しい結末になってしまうよ。
事件の全貌:由花里誘拐事件と関口翔太の復讐
ストーリーの後半では、桜木と婚約者の黒谷由花里に迫るストーカー事件が発生します。このストーカーの正体は、父親が冤罪で殺人犯となり家族を失った関口翔太。彼は父親の冤罪を招いた桜木への復讐心から、女装して由花里にストーカー行為を行い、最終的に彼女を誘拐します。
翔太は、自らの耳を切り落とし、それを由花里の耳であると桜木に送りつけるなど狂気的な行動を繰り返します。
関口さんは父が冤罪事件の被害者だと思い、目撃証言をした桜木さんに恨みを持ったわけだけど…実際には父親は冤罪ではなく、犯人で合っていたんだ。
それにしても、自分の耳を切り落とすなんて…翔太の執念が怖すぎる!父が冤罪でもなかったという、最後のどんでん返しも切ないよね。
【結末ネタバレ】桜木の選択とその後
桜木は由花里と翔太を撃ち、その結果として自らの秘密を守るために「視覚異常を持っていない」と主張し、有罪判決を受けます。一方で、翔太の死をきっかけに彼の父親が罪を認めるという衝撃の結末が待っていました。桜木の幼少期の目撃証言は間違っていなかったことが証明されますが、それによって救われるものはありませんでした。
物語のラストでは、母親の葬儀に訪れた薪と和解する桜木の姿が描かれます。そして薪もまた、青木とともに桜木の苦しみや選択に思いを馳せ、涙を流します。
桜木さん、最後に薪さんと和解できてよかったね。裸眼では桜木さんには人の表情が白く光って何も見えなかったわけだけど…彼の人生を思うと胸が痛むなぁ。
最後に、表面上の顏が見えないからこそ、その人の本質が分かるってシーンに号泣!桜木さんの選択だとしても、健常者として有罪で裁かれるのは辛いね…。
「可視光線」の意味とは?作者が伝えたかったメッセージを考察
4巻のタイトルである「可視光線」は、物語全体のテーマを象徴する重要なキーワードです。物理的な現象としての「可視光線」を超えて、人間の感情や真実をどう捉えるかという、深い問いかけが込められています。
見えるものと見えないものの狭間
「可視光線」という言葉は、本来「人間の目で見える光」を指しますが、作中ではその枠を大きく超えた意味を持ちます。赤外線を視覚できる永江死刑囚や桜木の特異体質は、「見えないものが見える」という物理的な特殊能力を象徴しています。
このことは、物語のもう一つのテーマである「秘密を守るか暴くか」という選択と密接に結びついています。真実を知ることが必ずしも幸せに繋がるわけではないというメッセージが、可視光線の持つ二面性として描かれています。
見えるって、一見いいことのようだけど、それが逆に苦しみになることもあるんだね。見えすぎることで見失うものもあるって、なんだか深いなぁ。
清水玲子が描いた「秘密」と「尊厳」
清水玲子先生は、可視光線を通じて、「見えること」と「知ること」の責任について問いかけています。桜木が「視覚異常を持つ自分」を隠したのは、単に自分を守るためではなく、母親の名誉と尊厳を守るためでした。この選択は、桜木自身の孤独や苦しみを伴いましたが、同時に彼の愛情や強さを象徴しています。
作中で描かれる「可視光線」は、見たくないものや見せたくないものを暴く力でもあります。薪や青木がMRI捜査を通じて秘密を知り、真実を追求する中で、多くの登場人物がその「見えることの重さ」に苦しむ姿が描かれています。それでも彼らはそれぞれの立場で、尊厳を守る選択をしていきます。
桜木さんが母親のために選んだ道って、法の裁きを受ける以上にその後の人生にも関わるし、辛い決断だけど…それが彼の愛情なんだよね。
うん。でも薪さんたちみたいに、真実を追う人たちもいるから、物語に深みが出るんだろうなぁ…。
読者への問いかけ:私たちは何を見たいのか?
「可視光線」というタイトルには、読者への問いかけも含まれています。それは、「私たちは何を見たいのか」「何を知るべきか」という問いです。
清水玲子先生が伝えたかったことは、私たち一人ひとりが「真実」とどう向き合うかを考えるきっかけを提供することではないでしょうか。桜木や薪の選択を通じて、私たちは「秘密を守ること」「真実を暴くこと」どちらも尊いものであり、その選択の重みを感じることができます。
結局、何を選ぶにしても責任が伴うんだよね。自分だったらどうするか、考えちゃうなぁ。
人生は選択の連続だよね?でもその選択があるから、人間ってすごいとも思えるよね。
秘密シーズン0「可視光線」考察:可視光線の光が照らすもの
「秘密シーズン0」4巻における「可視光線」というタイトルは、ただの能力や現象を指すものではなく、私たちが日常で直面する「見えること」「見えないこと」の本質を問うものです。
この物語を通して、清水玲子先生が描いたのは、選択の難しさとその尊さ。桜木が母親のために選んだ道や薪たちが追い求めた真実は、すべての読者に深い感動と問いを投げかけてきます。
また、4巻全体を通じて、「秘密を守ること」「真実を暴くこと」というテーマが重層的に描かれています。桜木が選んだ「秘密を守る」という行動は、母親の名誉を守るためでありながらも、彼自身の孤独をさらに深める結果となりました。
一方で、翔太が追い求めた「真実を暴く」という行動は、復讐心から生まれたものであり、結果的に誰も幸せにならない道を辿りました。この物語は、秘密や真実が持つ重みと、それをどう扱うかという人間の選択を深く問いかけています。
「秘密シーズン0」4巻は、登場人物たちが抱える秘密とその選択が引き起こす波紋を丁寧に描いた、読み応えのある一冊でした。桜木の選択が良かったのか悪かったのか、その答えを出すのは簡単ではありません。ただ、彼がその選択に込めた思いを考えると、胸が締め付けられるような気持ちになります。
母親は死んだけど、死者の尊厳を守る選択をした桜木さん…。秘密を守ることも、真実を暴くことも、どっちも正しいけどどっちも難しいね。
4巻を手に取って、「見えること」の意味を一緒に考えてみてください。読後にはきっと、新しい視点を得られるはず♪
ぜひ、みなさんも「秘密シーズン0」4巻を手に取ってみてください。その深いテーマと巧みなストーリーテリングに、心を揺さぶられること間違いありません!
≫漫画【秘密 season 0】5巻「増殖」あらすじ:ネタバレ考察はこちら
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