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徴兵検査の“甲乙丙丁”とは?やなせたかしは乙種合格📝召集命令と合格区分を解説【あんぱん実話】

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朝ドラ『あんぱん』第10週で描かれた嵩と健太郎の“赤紙”シーン──。召集令状を手にした瞬間、彼らの表情には言葉にできない重みがにじみ出ていました。この描写は、モデルであるやなせたかし氏の実体験が色濃く反映されたもの。

本記事では、当時の「徴兵検査」や「甲乙丙丁(こう・おつ・てい・へい)の合格区分」、そしてやなせ氏自身の戦争体験から読み解く“嵩のモデル”のリアルを、わかりやすく解説していきます。

きゅんはむ
きゅんはむ

「徴兵検査って何?」「乙種合格ってどういう意味?」という疑問を解決!実話とドラマとの違いについても見ていこう。

※実話解説は、やなせたかし著書『ぼくは戦争は大きらい』を参照しています。

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【実話解説①】徴兵検査とは?昭和の若者に課された“通過儀礼”

戦時中の日本では、多くの若者が「徴兵検査」を通じて軍隊に入るかどうかを決められていました。現代では想像もつかないこの制度は、当時の青年にとって“通過儀礼”とも言えるものでした。では、具体的に徴兵検査とはどのようなものだったのでしょうか。

きはむ
きはむ

いきなり軍隊に入るわけじゃなく、検査があった!でも、検査に合格しないと「兵隊失格」って思われちゃう空気もあったんだよ。

徴兵検査の概要と目的:何歳で受けたの?

徴兵検査は、満20歳を迎えたすべての男性が対象でした。これは「兵役法」に基づく国の制度で、軍隊に必要な人材を選抜するために行われていたものです。

検査の目的は、身体的・精神的に兵役に適しているかどうかを判定し、「甲・乙・丙・丁・戊(こう・おつ・てい・へい・ぼ)」といった等級に分類することでした。この結果が、その後の人生に大きく影響することも少なくありませんでした。

地方の青年たちは、軍服姿の憧れや“立派な兵隊になること”が一種の名誉とされていた背景もあり、検査は社会的にも重みのある行事とされていました。

検査内容の実際:身体検査・視力・知能など

徴兵検査では、身長・体重・視力・聴力・胸囲・精神状態など、実にさまざまな項目がチェックされました。

特に視力や体格は重視されており、やなせたかし氏のように「目が悪い家系」は、それだけで“乙種”とされることも多かったようです。検査基準は時代や地域によって微妙に異なり、戦争の激化とともに合格基準が緩和されていったことも確認されています。

また、知能検査や性格傾向のチェックも簡易的に行われ、「軍隊での適応力」も評価対象とされていました。中には精神的に不安定と判定され、“兵役免除”となるケースもあったそうです。

きゅんはむ
きゅんはむ

視力だけで乙種…今のメガネ男子ならみんなアウトかも!?しかも“兵役免除”って喜ばれなかったっていうから、プレッシャー半端ない…。

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【実話解説②】「甲乙丙丁」とは?徴兵検査の合格区分に、ランクがあった

徴兵検査の合格区分には「甲・乙・丙・丁」という4つのランクがありました。教科書では見かけても、実際の意味まではあまり知られていないかもしれません。ここでは、それぞれの区分がどんな基準で分けられていたのかをわかりやすく解説します。

きはむ
きはむ

名前だけは聞いたことあるけど、何が違うんだろう?調べてみると、「乙種」でも兵隊にされるんだと判明してビックリ!

徴兵区分の一覧:それぞれの意味と判定基準

徴兵検査の結果は、兵役の適性によって以下のように分類されました。

  • 甲種合格:最も健康とされる判定で、即時に召集可能。体力・視力・精神状態すべてが問題なしと判断された人に与えられます。
  • 第一乙種・第二乙種合格:軽度の身体的問題があるものの、兵役には差し支えないとされる判定です。特に視力が弱い場合などに多く、この判定を受けた人も普通に召集されました。
  • 丙種:一定の健康問題があり、すぐには兵役に就けないと判断された人。原則免除扱いですが、戦局が逼迫すれば再検査される可能性がありました。
  • 丁種:明確な健康上の理由で兵役完全免除となる判定です。丙種と違い、再検査の可能性も基本的にはありません。

この分類は、時代が進むにつれて合格基準が甘くなる傾向にありました。戦争末期には「乙種」や「丙種」でも召集されるケースが増えています。

やなせたかしは「第一乙種合格」だった

やなせたかし氏は昭和15年、郷里の高知で徴兵検査を受け、第一乙種合格となりました。合格ではあるものの、「甲種」ではなかった理由は「目が悪かったから」だと本人が語っています。

やなせ家は体質的に視力が弱く、兄弟全員が眼鏡をかけていたことから、検査でも視力で引っかかってしまったようです。ただし、乙種であっても兵役適性ありと判断されたため、いずれ召集されることは想定されていました。

きゅんはむ
きゅんはむ

視力でアウトって…ぼくもダメかも〜!やなせ先生、目が悪くても戦地に行くことになるなんて…もしかして、日本軍は大分劣勢だったのかも…?

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【実話解説③】召集命令とは?徴兵検査から出征までの流れ

徴兵検査に合格したからといって、すぐに軍隊へ行くわけではありません。検査後は“待機期間”があり、各自の生活に戻った上で、必要に応じて「召集令状」が届く仕組みでした。

きはむ
きはむ

検査のあとすぐ軍隊ってわけじゃないんだね。でも、いつ来るか分からないってのも怖いなぁ…。

召集令状はいつ届く?合格後の待機期間

徴兵検査に合格しても、すぐに軍務に就くわけではなく、多くの青年たちは“いつ来るか分からない”召集令状を待つことになります。待機期間は数ヶ月から数年とばらつきがあり、戦局や兵員の不足状況に応じて変動しました。

また、甲種・乙種などの等級によっても優先度が異なり、甲種合格者が優先的に召集される傾向にありました。ただし、戦争が激化するにつれて乙種や丙種も動員されていくようになります。

やなせたかしの場合

やなせたかし氏は昭和15年に徴兵検査で第一乙種合格を受け、召集令状が届いたと語っています。著書『ぼくは戦争は大きらい』では「もっと先のことだと思っていた」と驚いた様子が描かれており、実際には本人の想像以上に早いタイミングで軍隊入りが決まったようです。

年表によると、昭和16年(1941年)22歳のときに小倉の野戦銃砲部隊に入隊し、その後内地勤務を経て昭和19年(1944年)に中国・福州へ派兵されています。1

一方、朝ドラ『あんぱん』では、嵩が東京で社会人生活を送っていた昭和17年に召集令状が届くという描写になっており、実際よりやや遅めの設定がなされています。

きゅんはむ
きゅんはむ

東京田辺製薬の宣伝部で意匠広告関係の仕事をし、充実した日々を送っていたところ、突然の召集命令!どんな気持ちなんだろう…。

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【ドラマと比較】『あんぱん』嵩の徴兵描写はどこまで実話?

朝ドラ『あんぱん』第10週では、嵩と健太郎のもとに「赤紙(召集令状)」が届き、いよいよ戦争の影が身近に迫ってきました。この描写は、やなせたかし氏自身の実体験をモデルにしたものですが、実際の出来事とは少し時期や状況が異なる部分もあります。

きはむ
きはむ

赤紙って突然くるんだね。健太郎を送り出した後、自分にもすぐ召集がかかるって…どんな気持ちなんだろう…。

嵩の徴兵=やなせたかしの召集がモデル

嵩の徴兵は、やなせたかしが昭和16年(1941年)に受けた実際の召集がベースになっています。やなせ氏は、昭和15年に高知で徴兵検査を受け、第一乙種合格。そのすぐ後に赤紙が届き、小倉の野戦銃砲部隊に入隊しました。

ドラマでは、昭和17年の描写として描かれていますが、これはドラマ上の演出としてやや時期をずらした構成と考えられます。

きゅんはむ
きゅんはむ

本人は22歳で入隊…ってことは、嵩の方がちょっと遅め?でも、流れはほぼ実話通りなんだね◎

健太郎の召集=実在モデルとの関係は?

健太郎の召集については、やなせたかし氏の実体験には明確な該当者はおらず、ドラマ上のフィクションと思われます。とはいえ、戦時中は家族や友人が次々と戦地へ送られるのが当たり前の時代。嵩の身近な人間にも赤紙が届くという描写は、当時の現実感を強く表しています。

きはむ
きはむ

嵩は乙種合格だったけど、もし甲種合格だったらどうなっていたんだろう…?

Q
甲種合格者の進路とその後の軍歴とは?
A

徴兵検査で甲種合格をもらった者は、健康状態が非常に良好とされ、最も過酷な第一線部隊に配属されやすい傾向にありました。歩兵や突撃部隊など、命の危険が常にある最前線での勤務が基本です。

一方、やなせたかし氏のように乙種合格だった者は、比較的安全な内地勤務や後方支援に回されるケースが多くありました。ただし、戦局が悪化するにつれて乙種・丙種でも前線に送られることが増えていきます。

きゅんはむ
きゅんはむ

甲種の人は、いきなり前線に送られることもあったの!?乙種でも安心とは言いきれないとはいえ、本当…目が悪いのが幸いだったね。

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まとめ:朝ドラは実話を反映!嵩の戦争体験にも注目

『あんぱん』の嵩に届いた召集令状の描写は、やなせたかし氏自身が体験した徴兵検査〜入隊の流れを忠実に反映したものです。検査区分「甲乙丙丁」は戦時中の若者にとって人生を左右する重みがあり、やなせ氏は第一乙種合格という視力に若干の問題がある判定で召集されました。

検査後すぐの入隊、そして小倉の野戦銃砲部隊から戦地・福州へ──。やなせ氏の戦歴と、嵩の描写には驚くほどの一致点が見られます。

また、乙種判定=後方勤務とは限らず、戦局の悪化で前線配属も十分ありえた現実も忘れてはなりません。

『あんぱん』の感動的なストーリーの裏にある、こうした史実とのつながりを知ることで、ドラマの描写にもより深い理解と重みが加わることでしょう。

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参考文献、資料:

  1. NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説『あんぱん』Part1 ↩︎
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