清水玲子先生の大人気シリーズ「秘密」の続編シリーズ『秘密 season0』。その中でも「原罪」と題された物語は、2巻と3巻にわたる壮大な事件を描き切っています。
この記事では、3巻で完結を迎えるタジク編、通称“カニバリズム事件”の衝撃の結末について、あらすじや感想を交えながら考察していきます。2025年1月期に『秘密〜THE TOP SECRET〜』のタイトルでドラマ化される原作漫画について、ネタバレを含めた感想を紹介します。
ドラマは、板垣李光人(薪剛役)&中島裕翔(青木一行、鈴木克洋)のW主演!原作では似ている青木&鈴木を、中島さんが一人二役で演じるよ。
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『秘密 season0』3巻(原罪)あらすじ:ポトノフ外相暗殺未遂事件
事件の舞台は、カザフスタン大統領を招いた豪華な食事会。この場で薪は、大統領警護の責任者として参加します。一方で、天才シェフ・タジクはこの食事会で“ある計画”を進行中のようで…?
薪さん、警護の仕事もするなんて忙しすぎじゃない?しかも相手はカザフスタンの大統領!大統領を咄嗟に助けたら、なぜか気に入られSPに指名されちゃった!?
総監が薪さんに対し、「腕が強いんじゃなくて、気が強いだけだ」って言ってるのには笑っちゃったよ~。
そんな中、タジクの真の目的が徐々に明らかになります。彼の狙いは、大統領暗殺ではなく、ロシアのポトノフ外相への復讐。その計画の一環として、薪たちは危険な陰謀に巻き込まれていきます。
【ネタバレ】タジクの“料理”の真実とは?女性の遺体はどこにある?
事件の鍵を握るのはタジクの料理。そして、それが指す“料理”の意味が、読者を震撼させるポイントです。薪は、タジクが解体した遺体を豚に与えて処理していたという恐るべき事実に気づきます。
え?どういうこと…??
衆議院議員でプレミアムのマスター(最高指導者)である、川谷雅人(かわたに まさと)のドラ息子・寿明(としあき)と彼と食事を共にしていた女性たち4人は、タジクの料理を食したことで、クロイツフェルト・ヤコブ病にかかり幻覚などの症状を見るようになります。
- Qクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とは何か?
- A
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、異常なプリオンタンパク質が原因で脳にダメージを与える稀な神経変性疾患。家畜に罹患するものが狂牛病、人間に罹患するものがクロイツフェルト・ヤコブ病。
記憶障害や運動障害、急速な認知機能の低下を引き起こし、多くの場合、発症から1年以内に死亡します。
原因には遺伝性、医療行為での感染、変異型(狂牛病関連)が含まれます。現在、治療法はなく、対症療法が中心です。感染予防と早期診断が重要とされています。
タジクは、ヤコブ病に感染した人間を含む動物を食材にした料理を提供しており、寿明を殺害したいという強い動機があったかは不明だが、少なくとも死んでもいいという考えで、長期にわたり汚染された食事を提供。
タジクは、日向沙羅(ひゅうが さら/カザフスタン出身で日本に帰化)に幼少期に助けてもらった恩があったため、沙羅の「ポトノフ外相暗殺」に協力しました。
沙羅がポトノフを恨んだのは、自分の娘が犠牲となった旧ソ連の核実験と、ロシアの放射性廃棄物最終処分場建設が原因。
ロシアの核実験をはじめとする土地の汚染が原因で、娘は病気で亡くなり、自身も進行性のがんに侵されたため、沙羅はポトノフを食事会で亡き者にしようと企てました。
じゃあ、大統領達を迎えての食事会で提供される食事には、人肉は入っていなかったんだ。でも、寿明の周囲にいた4人の女性の死体はどこに…?
タジクは食材の調達も自分で行っていたんだけど、実は…その調達先で豚に食事を与えていたんだって。これには、薪さんもビックリだよね!?
さらに、この手口により、タジクの犯罪は証拠が見つけにくい形で進行していたことが判明します。彼の頭脳の鋭さと非道さが薪をも翻弄します。
沙羅のポトノフ外相暗殺計画の結末は?青木の犠牲と薪の決断
物語のクライマックスでは、沙羅がポトノフ外相を暗殺しようとしたところを青木が命がけで阻止。ナイフで刺されながらも沙羅を止めた青木の行動に、薪は動揺を隠せません。そして、その青木の姿を見て、薪はタジクに離すなと言われた爆弾の起爆スイッチから手を離してしまいます。
二人とも命がけすぎる…!タジクは薪さんをその場に留めるために、爆弾の起爆スイッチがあると嘘を言ったんだね。
その結果、スイッチが作動してしまったかのように見えますが、爆発は未遂に終わります。この場面で薪が見せた人間的な一面と、青木への思いが読者の胸を打ちます。
ポトノフ外相は自分が狙われていたことにすら気づいてなかったんじゃ…?青木さんは刺されて病院に運ばれちゃったよ。
復讐の果てに残ったものとは?タジクの復讐と薪の判断
最後に、薪はカザフスタンの地でタジクを追い詰めます。タジクの過去、核実験によって奪われた家族や土地への深い悲しみが、彼の復讐の動機だったと判明。しかし、薪は彼にこう告げます。
この言葉で、薪はタジクの心に一筋の光を差し込むことに成功します。
一連の事件から、ロシア側が譲歩し、タジクの妹の眠る墓地を放射性廃棄物最終処分場建設から除外することを決定。沙羅は入院先の病院で病死し、タジクは捕まります。
薪さん、怒りを越えて救いの手を差し伸べるなんてカッコよすぎる!それにしても、今回も国家間を巻き込む壮大な事件だったよねぇ…。
【結末考察】タジクのその後は?薪と青木の関係性にも注目!
タジクは「死体遺棄罪」や「死体損壊罪」で起訴され、裁かれることになります。しかし、彼の妹の墓が守られたことにより、少しだけ救いが描かれるラストが印象的です。
薪と青木の関係性も、最後の青木への「家族だ」という薪の心のつぶやきに象徴されるように、さらなる深みを増しました。薪にとって、青木はただの部下ではなく、特別な存在になっているのです。
結局、薪さんと青木の関係が全ての鍵だよね。でも、タジクの人生を想うと、本当に切なかったなぁ…。
『秘密シーズン0』3巻は、重厚なテーマと人間ドラマの奥深さを堪能できる傑作でした。薪と青木、そしてタジクの対立と共感が描かれる中で、人間の“原罪”が浮き彫りになっていきます。
タイトル「原罪」に込められた意味を考察する
『秘密シーズン0』2・3巻の副題である「原罪」という言葉。このタイトルには、一体どんな意味が込められているのでしょうか?物語の背景やキャラクターたちの行動を紐解きながら、その深いテーマに迫ります。
「原罪」とは何か?
「原罪」とは、一般的にキリスト教の概念で、人間が生まれながらにして背負う罪を指します。しかし、この物語においての「原罪」は単なる宗教的な意味合いを超えた、人間の本質的な弱さや、逃れられない過去、そしてその連鎖を表しているように感じられます。
タジクの「原罪」:失われた故郷と復讐
タジクが犯した罪は、過去の核実験により故郷を破壊されたことへの深い怒りと悲しみから来ています。彼にとって、その痛みは他者に復讐を仕掛ける原動力となりました。
復讐のために罪を犯してしまうタジク…悲しいけど、どこか納得しちゃう。清水玲子先生の描くキャラクターは、犯人の背景まで説得力があるよね。
でも薪さんが言ったように、それじゃ結局同じことの繰り返しだし…。どこかで誰かが、復讐の連鎖をストップさせないといけないね。
タジクの「原罪」は、彼が背負い続ける故郷への愛と、それを失ったことによる絶望から来るものでした。
薪の「原罪」:守れなかった過去と贖罪
薪もまた、「原罪」を背負った人物の一人です。彼はこれまでのシリーズを通じて、同僚や部下、そして家族のような人々を失ってきました。彼の内に秘めた強い正義感は、その失敗や罪への贖罪としての行動原理にも見えます。
薪さんの行動って、ただ正義感だけじゃなくて、彼自身の過去とも戦ってる感じがするよね。
青木さんに対しても、特別な思いがあるよね?1巻で鈴木さんとの関係が分かったから、青木さんを鈴木さんのように失くしたくないって思ってるんだろうなぁ…。
「原罪」に救いはあるのか?読者に問う「原罪」とは
本作では、タジクや沙羅の復讐劇の結末が描かれますが、それは彼らが完全に救われたわけではありません。しかし、薪がタジクに見せた写真(守られた墓地)や、青木との関係に表れる「家族」の存在が、少しだけ彼らに救いを与えたようにも感じます。
「原罪」とは背負うものではありますが、その重さに耐えながら他者と繋がり合うことで、ほんの少し救いが見えてくるのではないでしょうか。
救いが完全じゃないところがこの作品らしいよね。それでも、希望の光が少しでも見えると救われる気がする…!
「原罪」というタイトルには、人間の弱さや愚かさ、そしてそれを乗り越えようとする力強さが込められているのではないでしょうか。
核実験と汚染された土地:清水玲子が伝えたかったメッセージを考察
「原罪」では、核実験や放射性廃棄物によって汚染された土地と、その土地で生きる人々の悲劇が描かれています。このテーマは単なる背景設定にとどまらず、清水玲子先生が社会問題として読者に訴えかけたいメッセージが込められていると考えられます。
核実験が生み出す「傷」
カザフスタンを舞台にした核実験の歴史や、その影響を受けた人々の過酷な生活。放射性物質に汚染された土地では、健康被害だけでなく、そこに住む人々の未来も奪われます。物語の登場人物であるタジクや沙羅が体験した苦しみは、そうした現実を象徴しています。
核実験は、国や権力者が主導して行うものであり、直接被害を受けるのは立場の弱い一般市民です。清水玲子先生は、この現実に対して「核の犠牲になった人々の声を聞け」というメッセージを込めているように感じられます。
復讐と再生:核が奪うものと希望
核実験や汚染された土地で生きる人々の中には、自らの過去を糧に復讐を企てる人々もいます。しかし、物語では薪がタジクや沙羅に向けて「あなた方も加害者と同じことをしている」と指摘します。このセリフには、「被害者であることが、他者を傷つける免罪符にはならない」という重要なメッセージが込められています。
一方で、物語の最後に描かれるタジクの涙や薪がロシア政府に墓地の保存を働きかけた可能性からは、「失われた土地や命に少しでも救いの手を差し伸べよう」という希望のメッセージも感じられます。
核と人間:清水玲子が描きたかったもの
清水玲子先生がこのテーマを取り上げた背景には、核問題がいまだに現実の問題として解決されていないことへの危機感があるのではないでしょうか。
核兵器や核エネルギーは、しばしば「抑止力」や「経済的な利益」として正当化されることがあります。しかし、それによって生じる被害は、数十年どころか、数百年後にも消えない「原罪」として人類に降りかかるものです。
清水玲子先生は『秘密シーズン0』を通じて、以下のような問いを読者に投げかけているのではないでしょうか。
秘密シーズン0「原罪」考察まとめ:受け取るべき教訓
『秘密シーズン0』が描く核実験と汚染の悲劇は、単なる過去の出来事として片付けられるものではありません。清水玲子先生は、この物語を通じて「人間が自ら招いた罪と、その影響にどう向き合うのか」を問いかけています。
復讐や憎しみにとらわれるのではなく、過去を教訓として未来への希望を模索すること。それがこの物語に込められた最大のメッセージではないでしょうか。
毎回本当に、考えさせられる問いを投げかけてくれる清水玲子先生の作品。漫画を通して描かれる、目に見えて分かる事件だけでなく、その背景にも注目です。
≫漫画【秘密 season 0】4巻「可視光線」あらすじ:ネタバレ考察はこちら
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